★ドイツ・シーンで活躍し、自身がその主宰者であるFinetoneレーベルからの諸作に好評を得ていた、キャリアあるテナーサックス(ソプラノやバスクラも)奏者:ペーター・レーヘル(1965年ドイツのKarlsruhe生まれ)の、本盤は、いずれもレギュラー・カルテットによる(一部ゲスト入る)2004年と2002年の2つのライヴ音源をカップリングした、ヴォリュームたっぷりの2枚組作品。
★CD1(2004年編)では、極太トーンで中々泥臭く豪快に吠えるテナーや、モード色濃いシャープ&アグレッシヴなソプラノ、ファンキー・ソウル全開でイナセげに驀進するピアノ、温もり&哀愁たっぷりのまろやかなバスクラ、らが実に伸び伸びと楽しげに見せ場を飾ってゆく、ノリノリで美味しさ格別の豊饒内容となっている。
★→直球勝負で王道をひた進む、何ともおおらかな正々堂々の人情娯楽的ハード・バップ大会(スタンダード中心)が連続し、重厚で骨太いリズム陣の安定感抜群なサポートにガッチリ支えられながら、レーヘルの、終始水を得た魚の如く溌剌と舞い泳ぐ生粋メロディスト&生粋スインガーぶりが、誠に鮮やかにゴキゲンな冴え渡り様を示す。一方CD2(2002年編)では、オリジナル曲を中心として、よりモーダル・スピリチュアルでシリアスめ・コンセプチュアルめの行き方を見せており、レーヘルやメック(p)の結構ハードボイルドな熱演が凛然と映えるが、やはりその根底には、ブルージーでソウルフルな吟醸的旨口スピリット(?)がシカと息づいていて、甘さ控えめながらバッチリ親しみやすい、コクも利いた超芳醇な音世界がイキイキと形成されている。
CD 1
1. Lullaby Of Birdland
2. A Night In Tunisia
3. The Wizard Of Oz: Over The Rainbow
4. Take Five
5. As Time Goes By
6. Caravan
7. 'Round Midnight
8. Porgy And Bess: Summertime
9. Corcovado
10. Lots Of Blues
11. Yesterday
CD 2
1. Dedication
2. Here And Now
3. One For Kodaly
4. Moving In
5. Seven To Heaven
6. Elegy
7. Gypsy Wings
8. Waltzing Out
9. Gloomy Sunday
Peter Lehel Quartet :
Peter Lehel ペーター・レーヘル(tenor saxophone, soprano saxophone, bass clarinet)
Ull Möck ウル・メック(piano)
Mini Schulz ミニ・シュルツ(bass)
Dieter Schumacher ディーター・シューマッヒャー(drums, percussion)
Vivian De Farias ヴィヴィアン・ド・ファリアス(vocal on CD1-3,CD1-9)
Artisfact String Quartet (strings on CD2-3)
(Karin Boehnel, Thomas Gehring, Thomas Haug, Ulrike Eickenbusch)
CD1:2004年1月16日バードランド59(エットリンゲン)でのライヴ録音
CD2:2002年10月13日ジャズ&クラシックターゲ(テュービンゲン)でのライヴ録音
レーベル:
Finetone
在庫有り
2枚組CD