ロック・バンド:Living Colourでの活躍で知られ、Half Note他からジャズ作品も発表して好評を得てきたオールラウンドな黒人ドラマー:Will Calhoun(1964年ニューヨークシティのブルックリン生まれ)(バークリー音大に学ぶ)の、今作は、精鋭揃いのコンボを率いてのエルヴィン・ジョーンズに捧げられた一編。激烈でスピーディーそして砲撃的、或いは雷を落とすようなドラムの大攻勢!に猛々しくプッシュされながら、コク&泣きの利いたソウルフルなテナーや、ワイルドでアグレッシヴなピアノ、こってりしたアーシーなベース、鋭敏でハードボイルドなトランペット、らがそれぞれに鮮烈な存在感で見せ場を分け合い、競い合ってゆく、昂揚感満点の壮快な敢闘内容。勇猛硬派にしてブルージー&メロディアスな情感たっぷりの、緩急ある快活な現代ハード・バップ熱演が展開され、Calhoun(ds)の、ダイナミック&エネルギッシュ、それでいて繊細なニュアンスにも富んだ、中々懐深い指揮監督ぶり〜ナヴィゲート手腕も終始雄渾げに光る中で、各人の腰の据わった完全燃焼的アドリブ奮戦が、何ともエキサイティングな濃い口の盛り上がりを見せる。マクブライド(b)の漆黒のソウルに満ちた重厚でストロングなウネり波打ちプレイ、がとりわけ超芳醇に頼もしいスター性〜黒幕っぽさを際立たせている他、ルーニー(ts,ss)の苦味走ったエネルギッシュな渦巻き大アクション咆哮や、マッキンニー(p)のちょっと荒削りでキレのいいモーダル疾走ワザ、といった辺りの気魄みなぎる驀進の様も好インパクト。
1. EJ Blues (Elvin Jones)
2. Whew (Little Wilbur Jr.)
3. Harmonique (John Coltrane)
4. Sarmastah (Will Calhoun)
5. Mahjong (Wayne Shorter)
6. Shinjitsu (Naoki Satou)
7. Doll Of The Bride (Traditional Japanese Folk Song)
8. Destiny (Gene A. Perla)
Keyon Harrold キーヨン・ハロルド(trumpet on 1,6,7)
Antoine Roney アントワーヌ・ルーニー(tenor sax, soprano sax)
Carlos McKinney カルロス・マッキンニー(piano, electric piano)
Christian McBride クリスチャン・マクブライド(bass)
Will Calhoun ウィル・カルホーン(drums, acoustic 12-string guitar on 4)
guests:
Jan Hammer ヤン・ハマー(keyboard on 8)
Doudou N'Diaye Rose ドゥードゥー・ンジャイ・ローズ and 5 group drummers (on 7)
2015年4月ニュージャージーのiiWii Studios録音
レーベル:
Agate(Motema Music原盤)
在庫有り
CD