★ドイツ・シーンで活躍するキャリア豊富なピアニスト:ヴィーラント・クラインボブ(1961年旧西ドイツのシュトゥットガルト生まれ)の、本盤は、トリオ編成による、2011年に録音され、発表されたセカンド・アルバム=自作曲集。
★艶やかで透明感に富み、かつ、強固な角質っぽさも自ずと備えた、端正なタッチのピアノが、エレガント&ダイナミックに浪漫溢れるリリカル・プレイを綴って瑞々しい華を成し、バネの利いた肉太ベースや、シャープに突きを入れてくるドラム、らの俊敏なサポートも的確にスリル&グルーヴを高めた、美しくも深みある好演内容。
★現代ヨーロッパ系耽美派の一典型らしい、コンテンポラリーなりズムに乗せた「ロマンティック・アクション」調の抒情指向演奏、が滑脱に紡がれてゆき、クラインボブ(p)の、甘美なメロディスト&ロマンティストが基本身上であり、それでいて、ダウン・トゥ・アースな渋めのブルース節や、硬派バピッシュな立ち回り技、などにも中々の練達さを発揮するその、気品とウィットに満ちたジェントルな語り口が流麗に、そして瀟洒に冴えた魅力を放ってゆく。
★ちょっとゴスペル・フォーキーっぽくもあるマイルドな牧歌調だったり、陰影ある半瞑想型の繊細メランコリー描写だったり、の詩情豊かだが決して甘すぎない塩梅絶妙の美メロ・フレージング、にさりげなく研ぎ澄まされた清新な本領があり、また、鋭角で骨太い殺陣風の行き方や、ファンキー・ソウル仄めくイナセげな展開、といった結構シブい吟醸的なアプローチ、の粋さも出色で、全体としてはメリハリも自然と利いた、余情深く奥行きある文脈に軽々仕上がっていて、見事。
1. Herzrand
2. Back To The Boy
3. Orplid
4. Auf Der Rosenwaltz
5. Schloss Saager
6. Mozart Loves Pamina
7. Istana Bull
8. Dreaming Of Abroad
9. Ihre Bluese
10. D-Moll-Fang
11. Musiciclisti
12. Leaving The World
Wieland Kleinbub (piano)
Mini Schulz (double bass)
Meinhard "Obi" Jenne (drums)
2011年3月ドイツ-シュトゥットガルトのPiano Centrum Matthaes on Steinway & Sons録音
レーベル:
Finetone
在庫有り
デジパック仕様CD
VIDEO