Fresh Sound New Talentよりの諸作に高い評価を得てきた、NYシーン最前線で精力的に活躍する個性派テナーサックス奏者:ジェイソン・リグビー(1974年生まれ)の、強力な猛者二人とのトリオによる一編。重厚でいて脱力感あるまろやかなトーンのテナーサックスが、バップとアブストラクトの間を自在に往来する風な流麗滑脱な即興ブロウを結構飄々と繰り出し続けて、シブい魅力を放ち、肉太くウネり跳ねるベースや、ドスの利いた雷神的ドラム、らの活躍も頼もしい拮抗ぶりを見せた、強力なグルーヴ感とヘビーウェイト感溢れる好演内容。硬派サックス・トリオの一典型らしい、適度に荒削りでドッシリ重心の据わった武骨げな熱演が展開され、基本イメージは「硬派・雄壮」、そして、ベース&ドラムの分厚さやワイルドネスをみなぎらせた奮戦も奏効して、剛健で猛々しい躍動感・激動感が全編に貫かれるが、しかし、主役:リグビーのプレイには、勇ましくてタフな豪傑っぽさの反面、ごく軽やかに波乗り遊泳的インプロを楽しむような、或いは、流れるように一筆書きの散文詩大会に興じるような、リキみの抜けた「自然体で漂う」風合いも散見して、結果、音空間は、ストロングさ・屈強さとソフト・スムース感が絶妙に融和した、何げにユニークな仕上がりとなっている。激烈に燃え盛るスピリチュアル&アグレッシヴな大立ち回りのアクション咆哮、でたたみかけるが如く壮快に昂揚させる一方、歌物バラードでの繊細でロマンティックな哀愁描写やしんみり感がまた格別だったりもする、リグビーのさりげなく懐の広い旨口インプロヴァイザーぶりが、実に鮮やか。
1. Dive Bar
2. Dorian Gray
3. You Are Too Beautiful
4. Newtoon
5. Speak Like A Child
6. Live By The Sword
7. Embraceable You
8. Dewey
Jason Rigby(ts,ss)
Cameron Brown(b)
Gerald Cleaver(ds)
2016年NYブルックリンのThe Burke Studio録音
レーベル:
Fresh Sound New Talent
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CD