★Smalltown SuperjazzzやCrazy Wisdom、Anagram、The Thing/Trost等よりの過去作品群にも好評を集めてきた、スウェーデンの国際派奇才マツ・グスタフソン(1964年スウェーデンのウメオ生まれ)の主導する1999年結成の強力3人組ユニット:The Thingの、一部ゲスト陣も交えつつの一編。
★フリーキー・トーン交じりでワイルドに絶叫する、或いは落ち着いた調子で半幾何学的にシュールな流れを形作る、かと思えば旨味こってりのソウルフルな哀愁節を歌うサックスや、キレ味シャープに烈しくパルス状のビートを利かせてくるベース&ドラム、が一体となって、昂揚感満点のスカッとしたエモーショナルな音世界を創出した敢闘内容。
★概ね、熱血でスピリチュアルな、もしくはブルージーな、情緒指向を身上とした骨太く力強い硬派フリー・ジャズ熱演が展開され、やや渾沌としたアブストラクトな大立ち回り攻勢や、ノリのいいファンク調、ハード・バップ寄りの半バラード的メランコリック路線など、メリハリもクッキリとつけられる中々ドラマティックな道程の中で、グスタフソン(ts,bs)を筆頭花形とする銘々の腰の据わったインプロ奮戦が実にエキサイティングに、雄渾げに見せ場を織り成してゆく。
★グスタフソンの、荒削りで爆裂的な異形さを頼もしく発揮する反面、結構明朗で旨口な歌謡性やアーシー感覚も散見させるその、武骨で勇壮な、終始堂々としたスケールのデカい「唄いっぷり」が何とも清やかに、そして芳醇に冴え渡っており、また、Flaten(b)の、スピード感ある大津波?のように鋭くウネウネとにじり寄る猛襲ぶりや、Nilssen-Love(ds)の体当たりで突進してくる風な雷神っぽい超ダイナミック攻撃、も鮮やかにツボにハマッて、音空間は至極ハードコアにして胸のすくような活劇的興奮に溢れた、何ともゴキゲンな仕上がりとなっている。
SIDE A
1 Viking Disco / Perfection 8:50
2 First Shake 6:00
3 Til Jord Skal Du Bli 3:45
SIDE B
1 Second Shake 12:10
2 The Nail Will Burn 4:00
3 Sigill 9:15
SIDE C
1 Aim
Alto Saxophone – Anna Högberg,Cornet – Goran Kajfes 13:16
2 Third Shake 1:43
SIDE D
1 Round About Lapa 3:19
2 Bota Fogo 7:28
3 Fra Jord Er Du Kommet 7:23
Mats Gustafsson (tenor saxophone, baritone saxophone)
Ingebrigt Håker Flaten (electric bass, double bass)
Paal Nilssen-Love (drums, percussion)
guests:
Anna Högberg (alto saxophone on C-1)
Goran Kajfes (cornet on C-1)
2015年6月1日&2日ノルウェー-ベルゲンのDuper Studio録音
レーベル:
Trost
在庫有り
2枚組 重量盤LP