★躍進続く正統派アルトサックスの若き才媛:纐纈歩美(1988年生まれ 岐阜県土岐市出身)の、通算6作目にしてNYシリーズの第3弾となる本盤は、カルテット編成でアート・ペッパーの愛奏曲群を演じたチャレンジングな一編。
★滑らかな丸みっぽさを呈し、かつ、キュッと引き締まった鋭い風合いもある、中々表情濃やかなトーンのアルトサックスが、ダイナミックでいて哀愁溢れる明朗旨口な立ち回りワザをキメて、清々しい華を成し、好もしい硬質スクエアー感を湛えたピアノの殺陣的な躍動ぶりも、シブいアクセントを添えた、ノリよく味わい豊かな好演内容。
★ひたすらスインギーでメロディアスな、明快・快活この上なしのスカッとした娯楽的奏演が連続し、ベース&ドラムの、歯切れよさ抜群にシャキシャキ律動するプッシュ攻勢、に上手くノセられ、煽られながら、纐纈の、直球勝負で朗々と歌う流麗なアドリブ奮戦が、何とも鮮やかに、絶好調の冴え具合を見せてゆく。→バップ・アルトの伝統に深く根を下ろした、パンチの利き様も絶妙の滑脱アクション技を変わらず根幹としながら、メランコリックでブルージーな歌謡性・小唄性もゴキゲンに立ち昇るメロディック節、を次々潤沢に織り込んでゆくその、誠に粋でフレッシュかつテイスティーな王道エンタテイナー然たる泳ぎっぷりが文句なしに出色で、一方マナシア(p)の、これまたしっかりオーソドックスな、バップ色濃く陰影深い必殺ダイナミズム表現、のちょっと燻し銀っぽくもある吟醸的な魅力もGOOD。
1. Cool Bunny (Art Pepper)
2. Straight Life (Art Pepper)
3. Imagination (Jimmy Van Heusen)
4. Diane's Dilemma (Art Pepper)
5. Bessame Mucho (Consuelo Velazquez)
6. Holiday Flight (Art Pepper)
7. Patricia (Art Pepper)
8. When You're Smiling (Larry Shay)
Ayumi Koketsu 纐纈 歩美(alto saxophone)
Jeremy Manasia ジェレミー・マナシア(piano)
Mike Karn マイク・カーン(bass)
Mark Taylor マーク・テイラー(drums)
2016年2月NYC-ブルックリンのSystems Two録音
解説：菅野 聖
レーベル：
M & I
在庫有り
国内制作CD
