★バークリー音大に学び、1998年よりニューヨーク・シーンで活躍、シェリー・マリクルのDivaビッグ・バンドやFive Play、Diva Jazz Trio、テッド・ローゼンタール・トリオ、井上智カルテット他、数々の第一線人気グループで辣腕を揮ってきた女性ベーシスト:植田典子(兵庫県出身)の、本盤は、テッド・ローゼンタール・トリオのレギュラー・メンバーを率いての植田名義の初アルバム。
★肉太くウネウネと波打つベースの、重厚でコクのある存在感も際立ちながら、固く角張ったストーン・タッチで硬派に哀愁を歌うピアノの活躍が、凛々しく渋い華を成した、明快直球な好演内容。
★歌心とスイング感を徹底尊守した、ブルース色も濃い全き正攻法の娯楽的バップ快演が続き、植田の、こってりソウルフルで弾性溢れる躍動ワザや、デイヴィスのキレ味シャープなアタッキング突進ぶり、も頼もしい魅力を放つ、メリハリ満点の道程の中で、ローゼンタールの、苦味走ったストイックさと豊潤なロマンティシズム、が掛け合わされた風な、キビキビした調子の滑脱敏活なアドリブ奮戦が、壮快かつ余情深い映えを見せてゆく。
→伝統的バップ・イディオム(時にはモード・イディオム)に則った殺陣の型っぽいハードボイルドなアクション技を基軸としつつ、粋な小唄風だったりエヴァンスにも通じる耽美傾向だったりなどのメロディアスな抒情フレージングも豊富に盛り込み、トータル的には、ちょっと燻し銀っぽくもある好もしい硬質感や焦げみを湛えた、ビタースウィート風味のシブ旨な鳴音キャラに仕上げられる、という、何げによく練磨されたその懐広い吟醸的語り口の妙が冴え渡っており、植田の歌謡フィーリングに満ちた豪快な追い上げ様=猛ハッスルの様、も実にテイスティーに光っている。
1 Bohemia After Dark
2 Blue Sunset
3 Just In Time
4 Forget Me Not
5 Double Vision
6 Parisian Thoroughfare
7 The Loop
8 For All We Know
9 Touch Of Your Lips
Ted Rosenthal テッド・ローゼンタール(piano)
植田 典子 Noriko Ueda(bass)
Quincy Davis クインシー・デイヴィス(drums)
2015年6月11日,12日ニュージャージー州ParamusのTrading 8s Recording Studio録音
レーベル:
寺島レコード
在庫有り
国内制作・セミダブル(コーティング)紙ジャケット仕様CD