★1960年代初頭より今日に至るまで半世紀以上に渡って関西シーンで活動を続け、近年出た、Blue Lab.やWaonからのアルバムにも好評を集めていた、ベテラン・ギタリスト:竹田一彦(1936年奈良県天理市生まれ)の、今回は、安次嶺悟(p)&井上幸祐(b)との鉄壁トリオに加えて、アメリカから、以前にも共演したことのある敏腕ドラマー:アキラ・タナ(カリフォルニア生まれの日系2世、1979年よりニューヨークで活動)を迎えた、カルテット体制による一編。
★なお録音は、ペアのステレオ・マイク一対のみによる。シャープネスと潤いが絶妙にブレンドされた、中々ニュアンス濃やかなギター・トーンによる、歌心満点でソウルフルかつグルーヴィーな、程好い粗さをも湛えた自然体調子のプレイが、さすが醸熟の魅力を伸び伸びと揮いきり、歯切れよくも安定感抜群の敏活なドラムや、かっちりスクエアーで硬派なピアノ、らも、ライヴ感覚溢れる録音趣向の中で、それぞれ生々しく鮮烈に彩りを際立たせた、メリハリ充分のスリリング&テイスティーな好演内容。
★一貫してメロディアスでスインギーな、緩急も按配よくつけられるごく正攻法の抒情指向バップ、的行き方が和気あいあい&溌剌げに続き、半ばセッション風のおおらかなムードも漂う道程の中、表情多彩にひたすらよく歌う竹田の活躍が、ハートウォーミングで旨口そしてノリのよさも格別の、殊の外ゴキゲンな好調ぶり・豊作ぶりを呈してゆく。クリスチャン〜ケッセル系バップ・ギターの正統らしいアプローチであったり、バレルやファーロウにも通じる、ドライヴ感に満ちた鋭いダイナミック・アクションであったり、ちょっとジム・ホールっぽくもある耽美的クールネス強めのロマンティックなフレージングであったり、更には、ベンソン〜グリーン・タイプに接近した熱気渦巻くアーシーな文体であったりと、バラエティーに富んでいながらあくまで伝統に深く根を下ろした直球王道的な語り口、=肩の力を抜いて得意技大会に興じきるような、滑脱で適度にラフでもあるその舞い泳ぎ様、が巧まずして練達の極み(〜中々得難い滋味深さ)を示していて、見事。抑制を利かせてハードボイルド&ビター・スモーキーにキビキビ立ち働く安次嶺や、強堅でありながら荒っぽい奔放さ〜野性味をも散見させるタナ、らの助演もシッカと頼もしく光っている!!
1. Somethin' Like Bags
2. Night Train
3. Like Someone In Love
4. How High The Moon
5. Corcovado
6. Love For Sale
7. Bluesette
8. Our Delight
9. If You Could See Me Now
竹田 一彦(guitar)
安次嶺 悟(piano)
井上 幸祐(bass)
アキラ タナ(drums)
2015年4月9日 KOKO Plaza Studio(新大阪)録音
(STEREO)
レーベル:
Waon
在庫有り
国内制作CD