CATFISH RECORDS

★パリとニューヨークを行き来しつつ精力的に活躍し、純正ハード・バッパー的な芸風・作風に確かな支持を集めてきた、ビッグ・バンド経験も豊富なフランスの正統派・実力派トランペッター:ファビアン・マリー(1978年フランスのノルマンディー生まれ)の、Elabethからの6作目、＝今回もNYの精鋭陣と組んだ3管ピアノレス・クインテット(テナーのクリス・バイアーズがフル参加し、トロンボーンのスティーヴ・デイヴィスとバリトンのフランク・ベイジルが交代で登場する)編成での一編。
★息の合った3管アンサンブルもスマートで爽やかな魅力を際立たせながら、個性豊かなホーン陣の、腰の据わったソロ敢闘がスリリング&テイスティーに充実した見せ場を形成してゆく、誠にスカッとした壮快な好演内容。テーマ・アンサンブルには緊密なチームワークや端正な様式美理念も十二分に揮われつつ、大方は半ばセッション感覚っぽい明快直球的なソロ合戦の盛り上がりに力点の置かれた、娯楽指向の清々しいハード・バップ大会が一貫し、各人の、気合いが入っていながらリキみなげで伸びやかな活躍が、何ともゴキゲンに豊作ぶりを呈してゆく。マリー(tp)の、締まりの利いた凛々しいトーンで、バピッシュ&ソウルフルに溌剌と哀歓を歌い上げてゆく生粋メインストリーマーらしい活躍や、デイヴィス(tb)の、モコモコ感を孕みつつのスモーキーで渋い、憂い溢れるメランコリック吹奏、バイアーズ(ts)の、コク味こってりで微妙にユルいヨタヨタ感もチラつく豪快ブロウ(フルートでのスピリチュアルなアプローチもGOOD)、そしてベイジル(bs)の、強烈にドライヴ感&ドスの利いた野太い重厚アタック咆哮!、など、ひたすら「ハード・バップらしいハード・バップ」を体現した、実に潔いストレートアヘッド名演が横溢して、大いに沸かせる。これは美味豊饒。

1. Trips And Quads
2. The Camel Step
3. You're Not On The Map
4. The Little Tower On A Hill
5. Ydal Drib
6. Lament
7. Yellow Dog
8. Adam 1890 Blues
9. Line On Rhythm

Fabien Mary(trumpet)
Steve Davis(trombone on 1,2,4,5,6,8)
Chris Byars(tenor saxophone,flute)
Frank Basile(baritone saxophone on 3,7,9)
David Wong(bass)
Pete Van Nostrand(drums)

2014年10月12日 NYC-ブルックリンのBunker Studio 録音

レーベル：Elabeth

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三面デジパック仕様CD