★リーダー&サイドとも多忙な活躍を続け、Candid、Criss Cross、Nagel Heyer、MaxJazz、Planet Artsよりの諸作に好評を集めてきた正統派黒人トランペッター:テレル・スタッフォード(1966年フロリダ州マイアミ生まれ)の、今回は、ティム・ウォーフィールドやブルース・バースら馴染み連とのクインテットによる、リー・モーガンへのリスペクトが込められた一編。
★息の合ったタイトなアンサンブルがファンファーレの如く凛々しげに轟き渡り、これに続いて各人の、潔く腰の据わった真っ向勝負のソロ・プレイが、スリリング&エモーショナルに見せ場を競い合ってゆく、ひたすらスカッと昂揚できる実に爽やかな会心打内容。
★アレンジは適度に練られ、グループ表現のあり方も曲によって様々なバリエーションを見せる、レギュラー・ユニットとしての緊密さやソリッド感もさりげなく随所に際立った、メリハリ充分の中々ドラマティックなアウトラインが形作られながら、しかしそうした中で、ブローイング・セッション風のソロ・リレー合戦が結構シンプル・ストレートに決め込まれる!、という、あくまでエンタテイメントに適った明快活劇的ハード・バップ世界が何とも楽しそうに体現されており、鋭敏・重厚な圧巻のスイング感を醸成するリズム・セクションの大躍動ぶり、に豪快にノセられつつ、スタッフォード以下銘々の、正々堂々にしてしっかりツボを心得たアドリブ奮闘が、誠におおらかで清々しい豊饒地帯を創出してゆく。
★流麗でいてバツグンに歯切れのいい鳴り様を呈するスタッフォードの、ノリにノッたファンキー・バピッシュな吟醸節であったり、モーダルでハードボイルドな硬質アクションだったり、しみじみとした哀愁バラード表現であったりと、曲調に応じて細かく筆致も違えるドラマティックな活躍が、とりわけ生鮮に、イキでイナセなその魅力を浮かび上がらせており、一方、ウォーフィールドの、微妙に泥臭みや粘っこさも垣間見せつつの、ハード・ドライヴィング&ソウルフルな野太い渦巻き波打ち咆哮、そしてバースの、スクエアーで程好く荒削りな、渋味と熱気に満ちたダイナミズム攻勢、らのこってりした芳醇さ・コク旨さもゴキゲンだ。
1. Hocus Pocus
2. Mr Kenyatta
3. Petty Larceny
4. Candy
5. Yes I Can, No You Can't
6. Favor
7. Stop Start
8. Carolyn
9. Speedball
Terell Stafford(tp)
Tim Warfield(ts,ss)
Bruce Barth(p)
Peter Washington(b)
Dana Hall(ds)
2014年5月19日NYブルックリンのSystems Two Recording Studio録音
レーベル:
Capri
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