YVP MusicやPhilologyにリーダー録音を残していた、幅広く多忙に活躍する中堅実力派ベーシスト:ジュゼッペ・バッシ(1971年イタリアのバーリ生まれ)と、ToskyやVia Veneto Jazzよりのトリオ作が好評を博していた若手ピアニスト:ドメーニコ・サンナ(1984年イタリアのガエータ生まれ)、という二人のイタリアンがコンビを組んだデュオ・アルバム。重厚かつ鋭敏にウネり躍る、ドライヴ感に満ちたベースと、硬質タッチでバップ色豊かに渋旨メロディーを歌う端正なピアノ、という、ともに骨太い輪郭を呈した両者が、力強くも温かに対話を交わして、芯の据わったおいしさ芳醇な抒情世界を創出した好演内容。インティメイトでいて快活げにメリハリもつけられる、徹頭徹尾メロディアス&スインギーなリリカル指向の溌剌とした行き方が続き、息もピッタリに伸びやかなコミュニケーションをひたすら楽しむかのような、両雄の自然体にして結構密度濃いアドリブの応酬が、何ともハートフルに清々しい豊作ぶりを見せてゆく。サンナ(p)の、バップ・イディオムに則ったダイナミック・スウィンギンなシブ凛々しい鋭角的アクション技や、抑制を利かせた陰影深い哀愁小唄風の寛ぎフレージング、クールでスクエアーなコードワーク、熱気を孕んだイナセなファンキー節、ちょっとエヴァンス寄りの耽美的ロマンティック文体、など、一貫して中々強い打鍵で歯切れよく繰り出される王道プレイの数々が、実に爽やかに、明快旨口な冴え渡り様を示しており、一方バッシ(b)の、懐広げで安定感抜群、それでいて、豪快でソウルフルな大立ち回り攻勢に転じもする、温もりとコクたっぷりのバウンド跳躍的な鳴動、の程好く粘り気ある濃厚な風合いもGOOD。闊達で雄々しくもホッと安心できる逸品。
1. Humboldt Street #63 (Domenico Sanna)
2. Ciro Chi? (Domenico Sanna)
3. Lush Life (Billy Strayhorn)
4. Zhong Kui Blues (Giuseppe Bassi)
5. Isfahan (Duke Ellington / Billy Strayhorn)
6. NYC Subway Love Song (Giuseppe Bassi)
7. Too Close For Comfort (J. Bock / G. D. Weiss / L. Holofcener)
8. Reginella (Libero Bovio)
9. Just You, Just Me (Jesse Greer)
10. Cattiva's Lullaby (Giuseppe Bassi)
11. Day Dream (Duke Ellington / Billy Strayhorn)
Giuseppe Bassi (double bass)
Domenico Sanna (piano)
2014年5月イタリア-ローマのgli studi Suoni録音
レーベル:
albore jazz
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国内制作CD