●ジョシュア・レッドマンやマーク・ターナーのサイドで名を上げ、OAM Trioでも圧倒的な支持を得てきた、現代ジャズ・ピアノの人気名手:アーロン・ゴールドバーグ(1974年マサチューセッツ州ボストン生まれ)の、ルーベン・ロジャーズ&エリック・ハーランドとの強力トリオ(ラスト1曲にはカート・ローゼンウィンケル-g加わる)による一作。硬質な締まりや重みと濃やかな潤い感を兼備した、中々ニュアンスに富む折り目正しいクリアー・タッチによる、流麗優美でロマンティック、それでいてハードなダイナミズムやビターな渋味にも欠かない、一貫して歌心にしっかり適った、バランス感覚絶妙の親しみやすく奥深いリリカル指向プレイが、爽やかかつ含蓄ある熟成ぶりを示した会心打内容。三位一体にして正三角形的な、当意即妙の触発アクション!風の生々しいスリルや生鮮味が自然にキープされながら、滑脱でメリハリある躍動型抒情派タイプのエンターテイニングな快演がイキイキ・テキパキと続き、ゴールドバーグの、潤沢なメロディー・センスと程好い抑制力(或いは硬派でバピッシュな殺陣意匠)に揺るぎなく貫かれた、明朗旨口で余情豊かなアドリブ技が、トリオ全体のサスペンスフルな「機動美」と相まって、実に瑞々しい映えを見せてゆく。落ち着いた調子で優しく適宜甘美に哀愁的情景をじっくりと映し出し、描き込んで見せる、端正な現代ロマンティスト気質の側面と、「ハード・バップ」や「ファンキー」の伝統にキッチリ則った、スクエアーな硬質感やピリッとしたスパイス味を自然に呈する吟醸アクション派スインガー、的な行き方、とを細やかに織り合わせたような、何げにリズム感もバツグンの、闊達で陰影に富んだビタースウィートな文脈展開、そのこざっぱりとした軽み(&滋味)ある練達さが素晴らしい。
1. Trocando Em Miudos
2. Yoyo
3. The Wind In The Night
4. E-Land
5. Perhaps
6. Triste Baia Da Guanabara
7. Background Music
8. Francisca
9. One's A Crowd
10. One Life
Aaron Goldberg(p)
Reuben Rogers(b)
Eric Harland(ds)
Kurt Rosenwinkel(g on 10)
2014年4月NYブルックリンのSystems II(#1,#2,#3,#5,#7,#8)、2009年1月スイス-StaldenのGabriel Recording(#4,#6,#9)、2014年4月ニューヨークのSear Sound Studios(#10)録音
レーベル:
Sunnyside
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