★前作「サンディエゴの恋人」が好評を得ていた西海岸の美人歌手:サーシャの、今回は、ジョン・ディ・マルティーノ以下の腕利き連コンボと組んだNY録音の一編。
★潤い豊かで艶やかな、透明感と陰影味が絶妙に混在した中高音の端麗ヴォイスによる、繊細で優しくもメリハリの利いた、中々ニュアンスに富むドラマティックな抒情派演唱が、輪郭も鮮明に瑞々しい映えを見せた爽快内容。
★バック陣のストレートアヘッドなハード・バップ演奏も旨味満点に際立ちながら、軽快瀟洒で歯切れよくテンポのいい、緩急ある道程が続き、サーシャの、あくまで情感を大切にしつつ、さりげなく巧みに抑揚・濃淡を表す、行間も豊かな懐深い語り口、そのストーリーテラーぶりが清やかでおいしさ溢れる魅力を放ってゆく。
★適度に脱力した「語り節」風の、自然体でメロウな柔らかめの唱法と、よりシャキッと張りを利かせた鋭さある凛々しげな節回し、を流麗に交錯させ、また一部では、リズミカル&ダイナミックな半器楽的グルーヴ表現にも軽々こなれたところを見せながら、しかし一貫して粋で洒脱な「小唄」っぽいリラックス・ムードや情味が損われることはない、という、何げにセンスよく包容力もしっかり感じさせる文脈展開が、全く見事。ディ・マルティーノの哀愁に満ちたメロディック・プレイも好調。
1.デヴィル・メイ・ケア
2.ザ・ベスト・イズ・イェット・トゥ・カム
3.ラヴ・ウォント・レット・ミー・ウェイト
4.アイ・ビリーヴ・イン・ユー
5.サ・チャ・チャ
6.アイ・ハヴ・ソート・オブ・ユー
7.時さえ忘れて
8.ジー・ベイビー、エイント・アイ・グッド・トゥ・ユー
9.バークリー・スクエアのナイチンゲール
10.オータム・セレナーデ
11.フラジャイル
Sacha Boutros サーシャ(vocal)
John Di Martino ジョン・ディ・マルティーノ(piano)
Peter Washington ピーター・ワシントン(bass)
Lewis Nash ルイス・ナッシュ(drums)
Terell Stafford テレル・スタッフォード(trumpet)
他
2012年ニューヨーク録音
レーベル:
Muzak
在庫有り
CD