★Novus-Jよりの作品群で人気を拡大してきた、オーソドックスなハード・バップ・ピアノの個性的スタイリスト:岸ミツアキ(1961年和歌山県生まれ)の、今回はジャパニーズ・トリオによる快編。2004年6月録音。演目は有名曲中心に岸のオリジナルも2曲。
★充分に抑制の利いた渋いファンキー・フィーリングの表出具合に何とも得難い妙味の発揮された、軽快で歯切れよく簡潔、そして最高に上品な、純正ハード・バップ・タイプの味わい深い寛ぎ演奏集となっている。
★きめ濃やかで粒立ちのいい、クリアーかつ滑らかなタッチでの、(R・ガーランドを更に折り目正しく様式化・端麗化したような趣もある)ブロック・コード等の洒脱な和声弾奏と単音のダイナミックなバップ・イディオム技を効果的に併用した、軽涼感と粋なウィット溢れる「小唄プレイ」が絶好調。
★所々でクール派にも似た重厚な殺陣風のアクション攻勢も織り混ぜられてスリルと激動的迫力が適宜醸成され、また、ファンキー語法を応用しながらも味つけを全く違えてより耽美的・内省的な情趣に仕上げたビタースウィート風味のバラード、シアリングやブルーベックの芸風に近似した硬く厚みのある鋭角的コード・ワーク、といったバリエーションも次々と示されて、興は実に多彩、そして新鮮な昂揚と旨味の保たれた、実にチャーミングな道筋に仕上げられている。フットワークも軽やかに当意即妙・縦横無尽のフレキシブルな立ち回りを飄々と決めるb&dsのサポートがまた絶品な、一貫してさりげなく高密度に切り詰められた快速テンポの爽快な闊歩邁進が続いて行く、文句なしの充実作。
1. The Magical Jazz Cafe
★NHKラジオ第1放送「ときめきJAZZ喫茶」 オープニングテーマ
2. Where Or When (いつかどこかで)
3. I'm Through With Love
4. Smile
5. Cherno Brovyi, Cherno Okij (黒い瞳の)
6. Loss Of Love (ひまわり)
7. Fly Me To The Moon
8. What Am I Here For?
9. I'm A Fool To Want You
10. Blues For Stephanie
11. A Touch Of Melancholy
★NHKラジオ第1放送「ときめきJAZZ喫茶」 エンディングテーマ
岸 ミツアキ(ピアノ)
中村 新太郎(ベース)
井川 晃(ドラムス #2,3,4,10)
力武 誠(ドラムス #6,7,8,9)
田中 ヒロシ(ドラムス #1,5,11)
2004年6月23日&24日 録音
在庫有り
CD