★D-musicaよりのデビュー・アルバムが好評を得ていた個性派・実力派のテナー(&ソプラノ)サックス奏者:西口明宏(1980年兵庫県生まれ)の、今回はワン・ホーン・カルテットによる自作曲集。まろやかな流線的アウトラインを呈しながら、ソフトな中に自ずと締まりやキレも利いた、中々表情濃やかなテナー・トーンによる、振り幅大きくダイナミックなウェイヴを描きつつクール・ブルージーに哀愁を歌う、陰影に富んだ端正なモーダル・プレイが何とも清新で渋い魅力を放った快打編。形状は多様に変移するコンテンポラリーなリズムに乗せた、シリアスでいて美メロや詩情に決して事欠かない現代新主流派、的な機動型リリカル奏演が精悍に、スリリングに紡がれてゆき、西口の、ちょっと妖しい浮遊感をそこはかとなく漂わせる一方、ビシッと芯の通ったソウルフルな吟醸節を細かく散りばめてもくるその、爽涼にして何げに旨口な独特の語り口が余情豊かに冴えを見せてゆく。クール派もしくはW・ショーター辺りにも底通する浮遊感覚と、かつてのM-BASE路線を思わせるところもあるダーク&ビタースウィートな不思議フレージング、で結構ジワリジワリとミステリアスに魅了する一方、その端々にはしっかりとブルージー・ソウルが匂う渋旨な節回しも認められたり、腰の据わった正攻法のバップ・スイング節に転じて見せたり、J・ガルバレク辺りに似たマイルドな牧歌的バラード表現に深々とした底力を発揮したりと、さりげなく幅のあるバリエーション展開で、いつしか聴く者をドラマティックなプチ大河ストーリーに心地よくハマらせてくれるその筆運びは、おいしさ満点で実に堂々たるもの。
1. Pathos Of Sunrise
2. Scarecrow
3. Was
4. Ugnapiz
5. Centro I
6. Centro II
7. Improvisation
8. Mowe
9. BSFA
10. Baby And Bells
西口 明宏 Akihiro Nishiguchi(ts,ss,bell)
Hakuei Kim(p,neovichord,bell)
安ヵ川 大樹(b,bell)
大村 亘(ds,tabla,bell)
2013年日本作品
レーベル:
D-neo
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国内制作CD