●米ハードフォード大学でスティーヴ・デイヴィスに師事し、帰国(2008年)後、関西シーンで活躍、アルバム第1作「Crisp」も好評を得ていた、作編曲家肌なモダン・トロンボーンの若手実力者:今西佑介(1982〜)の、4管セプテットを率いての快調セカンド。精悍でいてソフィスティケートでもある、色彩感に富んだ美しいホーン・アンサンブルがスッキリと爽やかに旗めいた後、焦げ味の利いたホット・ファンキーなトロンボーン以下、イキのいいソロイスト達の中々簡潔で劇的なリレー合戦が実に瑞々しく、華と旨味ある盛り上がりを呈してゆく、清々しさ満点の快投内容。アンサンブル音響の設計・造形デザインなど、グループ表現のあり様には、曲によって趣を違える多種多様な意匠が凝らされ、また、「フィーチャリング主役」の座も曲毎に交代されたり、敢えて主役を特定しない群像劇、的なトラックも結構あったりなど、バラエティーに富んだカラフル&ドラマティックな、一貫してメロディアス指向のノリよく親しみやすい正統抒情派ハード・バップ大会、が和気あいあいとしたムードで繰り広げられてゆき、4(or3)管重奏には往年のウエストコースト物っぽいクールイズムも適宜示されつつ、各人の、役作りと素の個性を巧く使い分けたフレッシュ・エモーショナルなソロ奮戦が何とも色鮮やかに、スカッと爽快でいて密度の高い見せ場を分け合ってゆく。今西の、微妙にくすんだスモーキーな陰影を宿す旨口トーンでの、吟醸ソウルを朗々と闊達に歌い上げる風な、小気味のいい渋旨ブロウ!が随所に「濃い」際立ちを見せる他、硬質でピリッとした横尾(tp)の鋭敏アクション・プレイや、落ち着いた上品な清涼美とアグレッシヴな熱い激情っぽさを自在に交錯させる浅井(as)、硬角質でカラッとドライな加納(p)の「クール・バップ」的立ち回りなど、おいしさ抜群な個人芸の名場面が目白押し。
1. Prelude
2. A Wayfarer
3. Looking Up
4. A Nightingale Sang In Barkley Square
5. Bitter Coffee
6. Ob-La-Di, Ob-La-Da
7. The Night At The Evans
8. Piece Of Cake
9. Beyond The Fog
10. See You
今西 佑介 Yusuke Imanishi(tb)
横尾 昌二郎(tp)
浅井 良将(as)
當村 邦明(ts)
加納 新吾(p)
光岡 尚紀(b)
弦牧 潔(ds)
2012年日本作品
レーベル：
Jazz Lab.
在庫有り
国内制作CD
VIDEO
