●デンマーク並びに北欧シーンの代表選手=顔役の一人である、キャリア豊富なオールラウンド・ギター名手:Jacob Fischerの、今回は、A・サーピラ、B・ピザレリらとのオールスター・クインテットによる、自身はアコースティック・ギターに専念したアメリカ・セッション編。清澄で涼やかな潤いと渋い旨味がしっかり宿った、細く鋭く張りのある生ギター音による、ジャンゴ・ライクなマヌーシュ奏法を基本とした、「哀愁の美メロ」の源泉の如き繊細滑脱なマイルド・ブルージー・プレイが、瑞々しくも余情深い映え具合を示した高密度内容。モダンなフィーリングも適宜自然に加味された、基本は(ジプシー・)スイング・スタイルのオーソドックスな寛ぎ人情派セッション、が優しくもサバけた息遣いでカラッと決め込まれ、巧まずその物腰に折り目正しさや品格の備わった、Fischer、サーピラ、ピザレリらの、超絶にして朝飯前げな飄々ムードも漂うソロ・リレーが、ひたすら軽妙流麗に、節度ある豊作ぶりを呈して云うことなし。Fischerの、エキゾティズムを絡めてきめ濃やかにしっとりとメランコリーを歌いつつ、並行して、シャープなサビの利いたスパイス風の小節を滑り込ませてきたり、よりダイナミックな殺陣アクションっぽいフレーズをアクセント的にヒットさせたりと、そのアウトラインはまろやかで柔和なイメージながら微細な表情転回にも富んだ、ごく自然体のリキみなきスムースな語り口が実に簡潔に、かつ行間豊かにピリッと冴え渡っていて圧倒的に素晴らしい。一方サーピラの、ギターに比して肉弾っぽさや体温を幾らかダイレクトに湛えるも、その歩調・筆致は何とも涼しげで飄然とした、そして吹鳴の様は、白黒・明暗が全く切れ目なくメビウス状に繋がり、いつの間にかグラデーション調に切り替わってゆくようでもある、中々振り幅・抑揚の大きな波乗りブローイングがまた、Fischerとは好対照に真っ向から堂々たる芳醇さを顕示してGOOD。充実作。
1. Douce Ambience
2. Detour Ahead
3. Jean De Fleur
4. Gentle Rain
5. Brother Joseph
6. For My Lady
7. Motion
8. Sharing The Blues
9. Swing 39
10. My Serenade
11. Seven Come Eleven
12. West Coast Blues
13. Oriental Shuffle
14. Corner Pocket
15. Karleksvals (Love Waltz)
16. Backwaters
Jacob Fischer(ac-g)
Antti Sarpila(cl,ss)
Bucky Pizzarelli(7-string-g except 12)
Nicki Parrott(b)
Eddie Metz(ds)
2011年1月20&21日録音
レーベル:
Arbors
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