★ボビー・ジャスパーの柔らかで深みのある音色は聴く者を魅了する。澤野工房が手掛けるユーロ・ジャズ三大幻の名盤、残る最後の一枚が今ここに蘇る。
*本作品ライナーより抜粋*
実は、このアルバム、少し看板に偽りあり、というところがある。QUINTETとなっているが、10曲中8曲までがQUARTETだからだ。尤も、それが悪いというわけではなく、QUARTETはほぼJ.J.ジョンソンQUINTETマイナス1という内容で、興味深くもあり、また、悪い演奏になりようがない。QUINTETも素晴らしい顔ぶれだ。ここではやはりピアノのエディ・コスタが光る。ギターがバリー・ガルブレイス。人脈的には、ハル・マクシックのバックみたいだ。知的な風合い漂う演奏は得難い。収録曲数が多く、演奏時間は短めだが、テナー、フルート、クラリネットを操るマルチ・リード奏者としてのボビー・ジャスパーは十分味わうことが出来るだろう。聴く人それぞれ、彼のどの「顔」に惹かれるかは異なるだろうが、テナーの魅力に惚れ込む人は多いのではないかと思う。リッチー・カミューカや、ビル・パーキンスにも通じる柔らかで深みのある音色は聴く者を魅了する。さて、誰が呼んだか、ユーロ・ジャズ三大幻の名盤、というものがあるらしい。VERSAILLESのルネ・ユルトルジェ。PRETORIAのジョルジュ・アルヴァニタス。そして、COLUMBIAのボビー・ジャスパー。ご存知の通り、前の二枚はすでに澤野工房が復刻している。今回、残る一枚もやりとげたわけだが、澤野由明は、かつてこの三枚が入手困難であることから、「いつか復刻してやる」と執念を燃やしてきた(「集めてやる」ならとにもかく、「復刻してやる」・・・?いやはや・・・)そうだ。そういう意味ではサワノ「満願」の作品だ。どうぞご堪能いただきたい。(北見柊氏)
XLX 563 Side A
1. Clarinescapade
2. How Deep Is The Ocean
3. What’s New
4. Tutti Flutti
5. Spring Is Here
6. I Remember You
XLX 564 Side B
1. Wee Dot a)
2. I Won’t Dance a)
3. In A Little Provincial Town b)
4. They Look Alike b)
*SIDE A,SIDE B-1,2
Bobby Jaspar (cl, ts, fl)
Tommy Flanagan (p)
Nabil Totah (b)
Elvin Jones (ds)
1956年11月12日,14日 録音
*SIDE B-3,4
Bobby Jaspar (tenor saxophone,flute)
Barry Galbraith (guitar)
Eddie Costa (piano)
Milt Hinton (bass)
Osie Johnson (drums)
1956年11月20日 録音
在庫有り
完全限定輸入 重量盤LP