RedやNelmondoよりの作品群で好評を得てきた、80年代からグローバルに活躍するイタリアの正統派中堅テナーサックス奏者:Piero Odorici(1962〜)の、今回は、シダー・ウォルトン率いるトリオがバックに入ったアメリカン・カルテット編。シャープな締まりとソフトな丸みが絶妙にブレンドされた、人肌感ある肉太・旨口なサックス音による、力強く逞しげに渦巻き様のダイナミック・アクションを決め、同時に、哀愁漂うブルージーな美メロ節を温かく歌い上げる、スタンスもしっかり安定した全き正攻法の人情娯楽派ハード・バップ・プレイが実に堂々たる、そしてハートフルな絵を飾りきった会心の豊穣内容。ガッチリ頼もしげでデリケートな機微にも溢れたウォルトン・トリオの、折り目正しくキレのいい直進スウィンギン奏演が一貫して芳醇な、磨き抜かれた旨味のオーラを放ち続けながら、単純明快なエンタテイメント指向の王道バップ大会が決め込まれ、Odoriciの、豪放武骨なタフネスと温厚柔和な歌謡フィーリングを伸び伸び全開させた、おおらかに大地を闊歩するが如き活躍が絶好調。→ハード・ドライヴ感満点にスクリュー・ウェイヴっぽくしなやかな(太い)流線を描いてゆく、E・アレクサンダーやG・スチュワート辺りの芸風にも底通するような、グリフィン〜ロリンズ〜デクスター系統の純正吟醸ハード・バップ・スタイルを基本身上とし、そうした、グリフィン・タイプの滑脱自在ブロウの延長として、初期コルトレーン的なモーダル・フレージングも適宜自然に加味され、また、曲によっては音色の締まりを意図的に?強化して、アルト寄りのハイトーンをキープした上での熱血アグレッシヴな大立ち回り咆哮!、にシャキッと研ぎ澄まされた独自の魅力を発揮したりと、その親しみやすく幅のある誠実ハッスルぶりで大いに楽しませてくれる。
1. Casadias
2. For Someone So Beautiful
3. Over The Rainbow
4. Tin Tin Deo
5. My One And Only Love
6. Native Son
7. Willie's Groove
8. If I Should Lose You
Piero Odorici(ts)
Cedar Walton(p)
David Williams(b)
Willie Jones III(ds)
2011年5月11日ニュージャージー州ParamusのTedesco Studios録音
レーベル:
Savant
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