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繊細で優しくも、どこか儚げに翳った奥深き妖麗アンニュイ・ピアノ NIKKI ILES ニッキ・アイルズ / HUSH [SRCD 382]

販売価格: 1,700円(税込)

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●ティナ・メイの相棒で鳴らした英国の腕利き女性ピアニスト:ニッキ・アイルズ(1963〜)の、今回はアメリカの精鋭陣と組んだスペシャル・トリオ編。端正で滑らかな流線形の歩調の中に、キレのいい鋭角的な鳴り様も適宜自然に混入させてくる、その一音一音に落ち着き&抑制を感じさせる繊細なピアノ・タッチでの、ブルージー&バピッシュな正統筋の旨口フレージングもしくはエヴァンス型の耽美的ロマンティック文体を基軸としながら、それを微妙に仄暗いモノクローム色彩の独自言語モードへ無理なくシフトさせた、ような、ニュアンス濃やかでアンニュイな味わいのメロディック・プレイがしっとりと、ちょっと儚げな輝きを放った好投内容。モード系リリカル派の正統スタイル、にキッチリ則っての、折り目正しく歯切れよい行き方が快調に続くが、アイルズの、一聴きわめてオーソドックスなエヴァンス系統のアクティヴ耽美語法を用いていながら、しかしトータルに俯瞰すると、独特の細くシャープな翳りが一節一節に自然と付随して、いつしかクール・ドライで妖麗な奥行き・深層を形作っている、といった感じの、巧まざるその微細な(白黒濃淡や陰陽の)サジ加減がキモを成した語り口が軽々と冴え渡っているため、結果、ごく平易でありつつ中々他では聴けない、意外性・スリルも充分の実にユニーク&フレッシュな抒情世界が創出されており、見事。→今日の所謂「エヴァンス派」的な風合い・イメージよりも、むしろ60年代のエヴァンス本人が甘さ控えめでサラリと弾き流しているような、或いは、同じく60年代のドン・フリードマン、そのものにダイレクトに近似した音像を事も無く自然体で繰り出して見せるその、キラキラした光の瞬きの中にちょっと物憂い内省感がよぎる、風なセンシティヴな鳴音キャラは正にワン&オンリーの魅力。

1. Everybody's Song But My Own
2. Meditations
3. Nardis
4. The Glide
5. You Must Believe In Spring / Spring Is Here
6. Hush
7. Hi Steve
8. In Your Own Sweet Way
9. The Incense Of Colour

Nikki Iles(p)
Rufus Reid(b)
Jeff Williams(ds)

2010年9月9&10日ニュージャージー州イングルウッドのDee Bennett Studios録音

レーベル:Basho

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