人気トランペッター:アヴィシャイを始めとするイスラエル出身のお馴染みコーエン3兄弟バンドのニュー・アルバム。編成的には、前作から続投のA・ゴールドバーグを始めとする強力リズム隊がついたセクステット、を基本に、2曲では大御所:ジョン・ヘンドリックス(vo)もゲスト参入するという趣向。3管アンサンブルもキリッと勇ましく、ブルースの旨味をたっぷり含んだテイスティー・スウィンギンな全き正攻法のハード・バップ快演!、が和気ハツラツ調子で楽しげに決め込まれる豊穣内容。アレンジ・構成面にも過不足なく意匠が凝らされながら、「歌心とスイング感」最重視のスッキリ明快ストレートな親しみやすい娯楽活劇的行き方、が歯切れよく続き、エリントン調やミンガス似など、ちょっとレトロなブラック・スピリチュアル・テイストを適宜強化した、大河ストーリーっぽくもある道程の中で、各人の、リキみなく余裕を残した態勢で伸び伸び個性を揮いきる、といった感じのソロ・リレーがゴキゲンな活況&豊作ぶりを呈してゆく。アヴィシャイの、今回は概ね力を抑えたソフト・スモーキーな鳴り様を保ちつつの、吟醸的ソウル風味溢れるカラッとサバけた滑脱ブロウ、が中々に「渋旨」な魅力を放って意表を衝いてくれる他、アナの、スムース・ドライヴィングな柔らか渦巻き様のメロディック吹奏がダントツの芳醇さで映え渡っていたり、Yuvalの、スピリチュアリティ濃厚なアグレッシヴ奮戦もそこかしこで鮮烈に際立ったりと、好インパクトのおいしい名場面が目白押し。ゴールドバーグの端正なプレイもキラリと光る!
1. Shufla De Shufla
2. Blues For Dandi's Orange Bull Chasing An Orange Sack
3. With The Soul Of The Greatest Of Them All (Dedicated To Charles Mingus)
4. The Mooch
5. Do You Know What It Means To New Orleans
6. Rhapsody In Blake
7. On The Sunny Side Of The Street
8. Tiger Rag
9. Family
10. Roll 'Em Pete
Avishai Cohen(tp)
Yuval Cohen(ss)
Anat Cohen(ts,cl)
Aaron Goldberg(p)
Matt Penman(b)
Gregory Hutchinson(ds)
Jon Hendricks(vo on 7,10)
2011年4月17&18日NYブルックリンのSystems Two録音
レーベル：
Anzic
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W紙ジャケット仕様CD
