かつてはフェダインの中心人物としてブイブイいわせ?、その後も福岡を拠点に精力的なライヴ活動&アルバム・リリースを続けてきた、情魂肌テナーサックスの異才:川下直広(1954〜)の、旧知の二人と組んだストロング・トリオによる東京ライヴ編。しなやかな伸張力と柔らかな弛みっぽさ、が自然に同居した、陰影豊かで旨味濃い肉太テナー音による、ジワジワと加熱沸騰しつつ登り詰めてゆく情魂の躍動の様を生々しく活写した、ダイナミック&ソウルフルな軒昂プレイが中々壮烈に絵を飾り、体当たり的な迫真力に満ちたベース&ドラムのうねり猛り熱演も、超極太に凄味ある重厚グルーヴ感を醸成し続ける、という、全編を通じてただならぬ本気度のみなぎった敢闘内容。概ね、熱血スピリチュアル肌の勇猛でワイルドなモード・ジャズ奏演=完全燃焼の大アクション奮戦!、が腰を据えて潔げに決め込まれ、自由即興度も極めて高いシンプル・ストレートかつ荒削りな、肉弾的リアルさがビシビシ伝わってくる道程展開で、ひたすらエモーショナル&テイスティーに昂揚させてくれる。川下の、武骨でタフな豪傑キャラを基本身上とする反面、カラッとした小粋なウィット指向っぽい吟醸センスも適宜垣間見せる、中々表情変化に富んだ吹鳴のあり様が実に魅力的で、→ブルージー・ソウル風味たっぷりのマイルド・メロディックな「爽やか節」で滑り出しながら、エキサイトしてくると音色もフリーキーにヒズませて激烈アブストラクトなフリー派スタイルのインプロ疾走大会へ突入!、かと思えば、男泣き調にしみじみと哀愁を歌い上げる寛ぎめ歌物妙演、にまたイイ味を見せたりと、そのひたむきな人情味=切実な情動に貫かれた語り口は、(芯にブレなく旨味こってりで)文句なく素晴らしい。
1. ヒーリング・ソング Healing Song
2. ピース Peace
3. ノイローゼ Nervous Breakdown
4. マイワン My One And Only Love
川下 直広(ts)
不破 大輔(b)
岡村 太(ds)
2010年6月13日、12月21日 東京なってるハウスでのライヴ録音
レーベル:自主制作(マネキネコ商会)
在庫有り
デジパック仕様CD