★1997年に加入した村田浩&ザ・バップ・バンドを皮切りに、CUGジャズ・オーケストラ、後藤浩二トリオ、竹内直、池田篤、等々、J-ジャズ・シーン第一線で幅広く多彩な活躍を見せてきた辣腕ベーシスト:島田剛(1973〜)の、本盤は、NYへ乗り込んで個性派テナー:マーク・ターナーと組んだギター入りカルテット(但しラスト2曲は別メンツ・別編成のジャパニーズ・コンボ)による一編=初リーダー・アルバム。
★バネを利かせて太く重厚にうねり躍り、また歯切れよくバウンド滑進するベースの鳴動が、じんわりとおぼろに広がって音空間全体を芳醇化・活性化してゆく、かのような頼もしい黒幕オーラを発し続ける中で、クール・スムースな浮遊的テナー吹鳴やブルージー&ミステリアスな繊細ギター弾奏、が中々ニュアンス豊かで瑞々しい絵を飾ってゆく快投内容。
★メロディアスな抒情指向に軸足を寄せた、概ね力は八分目の端麗滑脱な今日流モーダル・バピッシュ奏演、が一定の重みを呈しつつも小気味よい軽快さで紡がれてゆき、全体を通じて、「吟遊詩人のおおらかな牧歌ロマン」と「妖しくダークな瞑想世界・内省世界を彷徨するサスペンス」とが混ざり合った情景イメージ、を湛える道程の中で、ソロイスト達の自在かつ的確な活躍が、抜群の鮮度でスリルも充分に座を華やがせてゆく。
★中心的な花形役を担うターナーの、W・マーシュやW・ショーターに底通はするものの彼らとはまた違った確固たる個性を感じさせる、即ち、冷涼な中にも時折アグレッシヴな熱気をチラつかせた、ドライで暗影濃いモノトーン調の遊泳的フレージング、がダントツの魅力を放っている他、阿部の、ジム・ホール・ライクな仄暗い耽美的クールネスと、よりコンテンポラリーな妖しい尖鋭テイストの入り混じった機動プレイ、も好インパクト。
1. Castle In The Sky
2. Momoka's Little Garden
3. Yasu
4. From Piano Concerto, 2nd Movement (Maurice Ravel)
5. Jacky's Place
6. Danny Boy
7. First Resolution
8. Treasure Island
島田 剛 Go Shimada(bass)
Mark Turner(tenor saxophone on 1〜6)
阿部 大輔 Daisuke Abe(guitar on 1〜6)
Jochen Rueckert(drums on 1〜6)
椿田 薫 Kaoru Tsubakida(alto saxophone on 8)
後藤 浩二 Koji Goto(piano on 7,8)
黒田 和良 Kazuyoshi Kuroda(drums on 7,8)
#1〜#6:2008年ニューヨーク録音
#7,#8:日本録音
(2011年日本作品)
レーベル:本人の自主制作
島田 剛のHPへ
在庫有り
CD