★ハイティーン期よりバルセロナ・シーンで頭角を現してきた最若手レトロ派ピアニスト(1989〜)の、トリオによる自作曲中心の一編。キレと滑らかさを自然に兼備した、中々精巧で安定感ある骨太クリアー・タッチによる、「ブルース」を変わらぬキーワードとして朗々と歌い、溌剌とスウィングする、徹頭徹尾シンプル・ストレートな潔い娯楽指向プレイが、清々しくもデリシャスに絵を飾った壮快内容。
★スイング・ジャズ、R&B〜ジャイヴ路線、ラウンジ・ムーディーなラテン風、モダンなファンキー・バップ、など、スタイルは適宜バラエティーに富みつつ一貫して「グルーヴ物」的なコンセプトを有した、理屈抜きに明るく楽しく昂揚してゆく活劇エンタテイメント快演の連続!、でトントン拍子に聴き進ませるゴキゲンな好展開。Fontの、ブギウギ〜ストライド系のワザにも長けたスイング派、もしくは、ノリまくりでリズミカル&ダイナミックに吟醸ソウルを歌い上げるR&B派、といった伝統的な古典芸能肌のアプローチを基本身上としながら、反面、瀟洒なウィットと豪快パワーを表裏一体化させたベイシーorピーターソン似のファンキー節、辺りには腰の据わった真剣勝負なリアル・ジャズ・スピリットがしっかりと感じられたり、バラード演奏における超微細で奥深い哀感ニュアンスの掬い取り様も絶品だったりと、何げに表情多彩なその語り口がフレッシュに冴えている。全般に、「パーティー・ジャズ」的な芸風・作風ではあるが、渋いコク味と重みに満ちた鳴音キャラ、並びにグループ全体のサウンドのゴッツリしたハードさ、などの魅力もあって、歯応え充分に聴かせきる快編。
1. Steeplechase Rag
2. Ulls Ametlla
3. Big 3
4. Seafood
5. After Sun
6. Bren's Boogie
7. Don't Put Sugar In My Sin
8. The Lord Is Back
9. Tea For Two
10. Pinoy Rag
11. Blues 4 Rhene
Bernat Font(p)
Ivan Kovacevic(b)
Marti Elias(ds)
2010年4月28日&29日スペイン-バルセロナのOrfeo Martinenc録音
レーベル:
Swit
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W紙ジャケット仕様CD