★東京でビッグ・バンド歌手やソロ・シンガーとして暫く活動した後、この10年は出身地の福岡を拠点に益々精力的な活躍を続けてきたキャリアあるジャズ・ヴォーカルの実力者:山口葵の、これは、名手ビル・メイズを迎えたコンボ・セッション(於・東京)音源を2枚のアルバムにまとめた2連作のうちの一枚。2枚の中で曲目の重複するものは全て別テイクを収録している。
★スッキリ清澄で伸びやかな、かつ、人肌の柔らかみや温もりも感じさせる、落ち着いた中音域のクリーン・ヴォイスでの、絶えず妖艶な香気を漂わせつつの、繊細さとダイナミズム併せ持った均整ある劇的リリカル歌唱、が風格堂々のおいしい映えを見せた好内容。メイズの、折り目正しく懐深げで渋い含蓄余情を滲ませたジェントルマンな旨口バップ・プレイ、がさすがハートウォーミング&テイスティーこの上なしの魅力を放ち続ける中、小気味よい和やか調子の瀟洒な行き方が続き、山口の、優しくまろやかな包容力やリラクゼーションと、背筋の伸びた凛々しいスタイリッシュ感やグルーヴ・センス、が渾然一体化した風な、中々表情豊かな節回しが冴えている。
★声音そのものの透徹でクール・ドレッシーな風合いを保ちながら、ある時はきめ濃やかなテンダーネスをフル活用してしっとりとメロウに哀愁情緒を映し出し、またある時は適度にツンと澄ました毅然げモードで、ブルージー・スウィンギンな張りのある吟醸的躍動フレーズをハキハキ繰り出しても見せる、という、一貫して大人の色香と余裕(&美学っぽさ)を匂わせたスケールも大きいそのドラマティックなストーリーテリング、は説得力充分。
1. All The Things You Are
2. Charade
3. No More Blues
4. Summer Of '42
5. 'S Wonderful, Swanee
6. For Sentimental Reasons
7. 202 Blues (instrumental)
8. From Russia With Love
9. Raindrops Keep Fallin' On My Head
10. People
11. Summer Of '42 take 2
12. Skylark
山口 葵 Aoi Yamaguchi(vo except 7)
Bill Mays(p)(elp on 9)
安ヵ川 大樹 Daiki Yasukagawa(b on 2,5,7,8,10)
山村 隆一 Ryuichi Yamamura(b on 3,9,12)(g on 7)
木村 由紀夫 Yukio Kimura(ds)
中路 英明 Hideaki Nakaji(tb on 6)
2010年6月22日-23日、10月13日-14日 東京Studio Dede録音
レーベル:
Flora Voice Laboratory(本人の自主制作)
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CD
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<受賞歴>
2008年、第28回・浅草ジャズコンテスト・ボーカル部門銀賞。
2012年、第3回・岡崎ジャズストリート・ボーカルコンテストにてグランプリ。
第32回・浅草ジャズコンテスト・ボーカル部門にてグランプリ。
2013年、第14回神戸新開地ジャズボーカルクィーンコンテストにて、準グランプリ。
第8回・さいたま新都心ジャズボーカルコンテストにて、準グランプリ。