★1960年代半ば頃までフィラデルフィアのシーンで活動した後ニューヨークへ進出、リチャード・グルーヴ・ホームズ、チャールズ・アーランド、シャーリー・スコットらのオルガン奏者達とよく共演し、またウディ・ハーマン楽団を始めビッグ・バンド畑でも多忙に活躍、セッション・コンサート(トリビュート物とか)の企画主催なども行いながら地道に活動を続け、1980年代以降Conawago/JazzMania/Mapleshadeから味のあるリーダー作を発表して玄人筋の定評を得てきた、渋い個性のベテラン・テナー奏者ボブ・キンドレッド(1940年シカゴ郊外のランシング生まれ)の一編。2004年2月NY録音。編成はワン・ホーン4tet。曲はスタンダード中心。
★ゆったり伸び伸びと構えたドライヴ感たっぷりの豪快な「ブロウ」が大音量で深々と轟く、ひたすらおおらかでスケールのデカい「シンプル・イズ・ベスト」の寛ぎバラード集である。
★野太く重厚な(ドッシリとスタンスの安定した)トーンでの、翳りと疲労感を含んだウェブスター〜ホーキンス系統のちょっとルーズで泥臭く粘っこい(そして威勢よく力強い)咆哮的節回しと、よりスッキリとしたゲッツ・タイプのスムースで推進力抜群の晴朗・爽快なフレージング、を的確に使い分けながら(デクスターやロリンズの影がチラつくところも)、貫祿堂々と頼もしげに歩を進めてゆく主役tsの、包容力に溢れた開放的な鳴音キャラクターが何より圧巻の魅力。
★硬く角張ったタッチでツボを押さえた堅固な職人芸的バップ・プレイを貫くp者以下、リズム隊の敏活にしてヘビーウェイトな中々ゴツイ音響形成も好もしく際立っており、一貫して懐深くまったりとしたコク味を満載したテナー・サウンドの芳醇さに四の五の理屈抜きで心地よく魅了される、単純明晰で最高にテイスティーな豊穣内容となっている。
1.ドゥ・ナッシン・ティル・ユー・ヒア・フロム・ミー
2.イン・ア・センチメンタル・ムード
3.クレイジー・ヒー・コールズ・ミー
4.ムーン・アンド・サンド
5.ボディ・アンド・ソウル
6.過ぎし夏の想い出
7.イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ
8.タイム・オン・マイ・ハンズ
9.ブルー・ムーン
10.ウォーム・ヴァレー
11.ウィズ・ザ・ウィンド・アンド・レイン・イン・ユア・ヘアー
Bob Kindred(ts)
John Di Martino(p)
George Mraz(b)
Ben Riley(ds)
2004年2月26日,27日 NY 録音
在庫有り
W紙ジャケット仕様CD