★ノルウェーの人気ピアニストD・アルネセン(1950〜)の、すっかりお馴染みな好評企画＝自国のトラディッショナルなフォーク歌曲群を独自のジャズ・スタイルで奏する「Norwegian Song」シリーズ、待望の第3弾。今回は新トリオで5曲、P・ミッケルボルクの加わったカルテットで5曲、という構成。
★清流の如く涼やかに、透徹に響く、折り目正しき繊細ピアノのマイルドな耽美派メロディック・プレイと、抑えを利かせてジェントル&スモーキーに哀愁を歌うトランペットの渋旨吹奏、が絶妙に絡み融け合って、優しく奥行きの深い詩的ロマンティシズム世界を濃やかに描き出した充実内容。
★バラードやゆったりめのサンバ、ファンク・ボサ調など、概ねリキみのないインティメイトなリラックス趣向をメインとするも、紳士らしく背筋の伸びた風な一定の緊張感がキッチリ保持された、柔和で心地よくも密度の高い半劇的リリカル奏演、が滑脱に展開してゆき、アルネセンとミッケルボルクのコントラスト感あるソロ(・リレー)が、色彩も鮮やかキラキラ瞬くような瑞々しい(そして超おいしい)見せ場を形成。ミッケルボルクの、力は八分目で煙霧の如き陰影味や掠れ感を漂わせつつの、吟醸的ブルージー・ソウルをまろやかに表出した瀟洒なメランコリック節、が中々コク深く芳醇(でハード・バピッシュ)な映えを示す。
★一方、アルネセンの、抑制あるクール・スウィートな唯美フレージングでこれに巧く対比をつけつつ、トリオ時の、腰の据わった骨太な哀切ダイナミック節や、軽涼感溢れる粋筋ファンキー・プレイ、またキース〜L・ヤンソンに通じる吟遊牧歌的フォーキー・ロマネスク妙技、が絶品でもあるその、振り幅大きくイキイキ清新なストーリーテラーぶりも文句なしに素晴らしい。
1. De Naere Ting / Close At Heart
2. Astrid Mi Astrid / Astrid My Astrid
3. Dialog / Dialogue
4. Pal Sine Honer (Pal Pa Haugen) / Paul On The Hillside
5. En Morgen Pa Vareggen / A Morning On Vareggen's Summit
6. I Balladetone / Ballad
7. Den Norske Dalevise 2 / Norwegian Valley Song 2
8. God Natt / Good Night
9. Dansende Blomst / Dancing Flower
10. Pausesignalet / The Interval Signal
Dag Arnesen(piano,synth)
Ellen Andrea Wang(bass,elb)
Pal Thowsen(drums,per)
Palle Mikkelborg(tp,flh beatboxing on 1,2,5,8,10)
2010年8月ノルウェー-オスロのRainbow Studio録音
レーベル：
Losen
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デジパック仕様CD
